梅ぼしのたね 〜趣味の部屋〜

TOP自動車自動車整備・交換取付>エンジンストール@

エンジンストール@


車種は平成8年式の三菱ミニカトッポ(H31A)

不具合の症状は寒い真冬でエンジン冷間時、エンジンをかけてすぐに走行しているとエンジンが吹けなくなりエンジンが止まってしまう(エンジンストール=エンスト)
暖機してから走行すると不具合は出ない (;´Д`)
さて、そうなるとキャブよりもエアーコントロールバルブが怪しい感じがする

画像は無いが、実際エンストして速攻エアクリを外してキャブ内部(エアホーン)を見たら真っ白になっていた
そう、凍結していたのである! Σ(゚Д゚)

まずはこのバルブについての構造を説明しよう

キャブ車限定だがエアクリの手前にサーボモーター(黄色矢印)と、内部にエアーコントロールバルブってのが付いている
このバルブの役割は気温が低い日にはAのエキマニ周辺の温かい空気をエンジンに送り込み、ある程度エンジンが温まったら@の冷たい空気をエンジンに送るのだ (゚Д゚)

エアーコントロールバルブをエアークリーナー側から見た画像
負圧によってバルブが上に引き上げられる
するとA側から温かい空気を吸い込む
エンジンが少し温まるとバルブは下がり、Aを塞いで@側から冷たい空気を吸い込む



つまりはこのシステムに何らかの異常があるのでひとつずつ点検していこう (・ω・)ノ

まずは温かい空気を吸い込む配管を点検してみる

コレが損傷していたりすると温かい空気を吸うことが出来ずに凍結してしまうが異常はなし

ちなみにこの配管は整備でエアクリを外す際に結構破損します
時にはこの配管が付いていない場合も…!

昔だが整備していたらこの配管が付いておらず、何を考えていたのかエキマニ側の穴はアルミテープで塞がれていた車両があった
どこの整備工場がやったのか…
無知って恐ろしい… (´・ω・`)

続いて負圧の点検

@はサーモバルブ(切り替えスイッチのようなもの)で、冷えている時は穴は塞がれていて、エンジンの熱で温められるとバイメタルによって穴が開く

つまりは冷えている時の負圧は@は塞がれているのでAのエアーコントロールバルブ側を吸ってバルブを上に引き上げてエンジンは温かい空気を吸い、温まると@の穴が開いてAへの負圧は少なくなるのでエアーコントロールバルブが下がって冷えた空気を吸う


冷間時にエンジンをかけてAから空気を吸って、温まると弱くなったので正常と判断
もし@やAから負圧が無い場合はキャブまでの間のバキュームホースが劣化して亀裂があるか、同じく間にあるワンウエイバルブの不良が考えられる

エアーコントロールバルブの作動点検はバキュームホースを付けてホースを口で吸い、3つ前のバルブ画像のようにバルブが負圧の有無によって上下すれば正常だ

最後にサーモバルブの点検
このバルブが開きっぱなしになっていると前述の通りエアーコントロールバルブは作動しない
コイツがサーモバルブ 今回このバルブと穴の間が異物だらけになっていて、ちゃんと穴を塞いでいなかった!




穴をしっかり塞ぐようにバルブ表面を清掃 穴も異物だらけだったので清掃




これでエンストすることなく絶好調になりました!
昔のクルマは現代のような電気で制御する『電子制御』ではなく、電気の代わりにエンジンから発生する負圧を利用するので、ちょっとした異物やバキュームホースの劣化でエンジン不調を引き起こすのだ (´;ω;`)