梅ぼしのたね 〜趣味の部屋〜

TOP知識その他知識>電気(直流)の基礎知識

電気(直流)の基礎知識



車やバイクには電気部品が多数使われている
なので改造や修理する際に電気のことが分かっていないともうどうにもならない (´ε`;)ウーン…
でも電気はサッパリ分からないって人が多いのでカンタンに説明しよう

まず覚えておいてほしいコトは電気は熱(光)と磁力に変わると言うことだ
それを利用してモーターを回転させたり電球を光らせたりするのだ (゚Д゚)
電気はよくこのように水の流れで説明される

この水車を回すのに片方の水の入ったタンクを上に上げれば水が下のタンクに向かって流れ、結果水の勢いで水車を回すことが出来る

コレを電気に例えると
・タンクの高さの差は電圧
・水は電流
・水車は抵抗
 (電球など電気を必要とするモノ)

このように考えればなんてことはない
−y( ´Д`)。oO○
電圧(Energy of Potential)略してE、単位はV(volt:ボルト)
上記画像で言うとタンクになる
『ではバッテリーの+を高い位置にすれば電圧は上がるのか!?』
…あくまで水での例えなのでそれはない ヾ(゚Д゚ )ォィォィ
上の画像で言えば上のタンクがバッテリーの+側で下のタンクが−側となる
電圧の場合は高い電圧から低い電圧に向かって電流が流れると思ってくれ
この電圧の差を電位差という
バッテリーの+側は12Vで、−側は0Vだよね?
+側の12Vって数値について説明すれば−側の0Vに対しての差が12Vだからなのだ
つまり12Vと0Vの電位差が12Vだから電圧は12Vとなり、12Vから0Vに向かって電流が流れる
上の画像のタンクの高さを12Vとして、この高さを2倍にした場合は24Vだ
配線の誤接続やアース不良でない限りありえないが、電球で例えると+側が12Vで−側も12V、つまり配線不良で電気が−側からも12Vが流れてきてしまう回り込み現象の場合には、12Vと12Vなので電位差は0Vとなり電球は点灯しない Σ(´∀`;)
昔のトヨタ車のテール&ブレーキランプでこのトラブルが多かったね
もし+側が12Vで−側が8Vだった場合は電位差は4Vなので、ぼんやりと弱々しい光で電球は点灯する
けっこう自動車やバイクの電気部品は全て12Vを使っていると思いきや実はそうでもない
CPUや各センサーなど主に電圧の変化で制御しているものはわずか数Vしかない
今回は自動車やバイクの電気ということで直流で説明しているが他に家庭用の電気で交流がある
直流はDC(direct current)で表し、自動車やバイクの場合はDC12Vになる
交流はAC(alternating current)で表し、家庭や工場の場合はAC100VやAC200Vだ

電流(Intensity of Current)略してI、単位はA(ampere:アンペア)
上記画像で言うと水になる
スターターモーターなど多くの電力を必要としている場合は電流も多くなる
そして電流は後術説明する抵抗と関係する
電球で考えると電力の小さな車幅灯(スモールランプ)と電力の大きいヘッドライトで考えてみよう
・12Vで5Wの車幅灯の電流は5÷12=約0.4A
・12Vで35Wのヘッドライト球の電流は35÷12=約2.9A
明るい球のほうが電流が大きいのが分かる 
※計算方法については後術説明

抵抗(Resistance)略してR、単位はΩ(ギリシャ語でオメガ:ohm:オーム)
上記画像で言うと水車になる
つまり電気を消費させる電気部品となる
多くの電力を必要としている電気部品の抵抗は低くなるのだ
上記車幅灯の抵抗値は12÷0.4=30Ω
ヘッドライト球の抵抗値は12÷2.9=4.1Ω
明るい球のほうが抵抗が小さいのが分かる
配線を+−短絡(ショート)させた場合で考えれば、抵抗がほぼゼロなので流れる電流は最大になる
※計算方法については後術説明

つまり電気とはこれらの総称であることが分かるかな?
よく『電気が流れる』って言う人がいるが、正確には流れているのは『電流』なのだ

回路
小学生の時、理科でこんなモノを作った覚えはあるだろうか?

単三電池に配線を付けて間に豆電球を取り付けた図だ

電池の+側から電球へ電流が流れ−側へ戻っていく仕組み

単純だがコレが理解できていれば自動車やバイクも理解できるであろう (`・ω・´)

自動車やバイクの電気は上記の単三電池の原理と全く一緒だ

唯一の違いはアースの一部に車体の金属部分全てを使っていることだ

ナゼかというと例えばブレーキランプの配線で考えると前方のバッテリー+端子から後方の電球へ配線し、再度前方のバッテリー−端子まで配線しなければならない

これでは配線の量が増えてコストや重量が大きくなってしまい、そしてバッテリー端子が配線の束でいっぱいになってしまう (ノ∀`)アチャー

この画像の配線を見れば分かるかな?

バッテリーのマイナス配線は車体金属部分のボルトに接続されている Σ(゚Д゚)

車体の金属部分全てを「配線」として考えればアース側の配線を減らすことができる
もちろんフレームからボンネット、ペダルやシートレールなど99.9%と言っていいほど金属部分全てだ
そんな金属部分に+側が接触してしまうとショートして火花が出てしまうので注意しよう

ごく一部だがプラスチック部品だけを固定している金属のネジだけは金属の車体とつながっていないのでアースにはならない

計算
あんまし計算することは無いが自作でLED部品を作製する時には必ず使う
・電圧を求めたい時は   電圧=電流×抵抗
・電流を求めたい時は   電流=電圧÷抵抗
・抵抗を求めたい時は   抵抗=電圧÷電流
もう見れば分かるよね?
例えば電圧の公式だけ覚えておけばイコールをまたげば分母へ移動するので一つだけ覚えておけば良い
最後に消費電力(W:ワット)の計算だ  電力=電圧×電流
電流が大きくなればなるほど消費電力が大きくなるのが分かる

感電
自動車やバイクのDC12Vではなかなか感じるような感電をすることはない
痛いくらいの感電をする時はハイブリット車やプラグコードの漏電のときくらいだ
体に流れる電流の大きさが大きいほどキケンだということは覚えておこう
人体は通常数千Ωだが濡れてしまうと0〜数百Ωまで下がるので濡れた体はキケンなのだ Σ(゚∀゚ノ)ノキャー

このようにバッテリーの+−を触っても何も感じない
人間の抵抗が大きいためだ
だから流れる電流は低い
でも電気は通っているので正確には感電している
テスターで測定したらこの距離で1.36Vだ
流れていた電流は0.01A以下



12Vと24V
クルマの電気は12Vを使っている(ごく一部24V車有り)
バイクの場合も12Vだが昔の原付で一部6Vがある
↓バッテリーを上から見た図だ
12Vの場合は12Vのバッテリー(画像左上)を1個使っているが、2個並列(画像右上)に繋いでも12Vだ
この場合は容量が2倍になる
※電流が最大で2倍になるが配線やオルタネーターの出力の関係があるので絶対にマネしないでね

24Vは主にトラックで12Vのバッテリー2個を直列に繋げば12×2=24Vとなる

これらを考えればバッテリーを見れば自分のクルマがどれに該当するかすぐに分かるよね?
( ´ー`)y-~~
先に言っておくがバッテリーが12Vなのに電球は24Vなんてことは絶対にない!
逆にセンサー系の電源は5Vに下げている場合はある

実際の電圧
いままで12Vと連呼してきたが実際の電圧は知っているかな?
実際には12V以上あるのだ Σ(´∀`;)l
エンジンを掛けていない状態での電圧
12.93Vだ
エンジンを掛けている状態での電圧
14.51Vだ



エンジン停止時のバッテリー電圧は約12.8V、エンジン始動時は13〜14.5Vとなっているはずだ
電圧は車種や状況によって刻々と変化するので一律12Vという言い方をしているを覚えておこう
なので電気部品に『12V用』とか記載されている場合でも実際の電圧が14Vで問題は無い

エンジンが掛かっている最中には様々な電気部品を作動させるので多くの電圧をオルタネーターが出力しているが、それは全ての電気部品を作動させても電圧が低くなり過ぎないようにしている
例えばエンジンが掛かっているのに12Vしかない場合ライトを点けたら12V以下になってしまって、しばらくしたらエンジンが電力不足で停止してしまう場合があるのだ Σ(・∀・|||)ゲッ!!
そしてエンジンが掛かっている時のバッテリーは電気を消費(充電)する部品、『負荷』になっている
バッテリーが弱くなった場合にエンジンが掛かっている状態でヘッドライトが暗くなると言われているのは、多くの充電電流をバッテリーが消費してしまっているためだ

バッテリー単体の電圧よりオルタネーターが出力している電圧が常に高いのはそれらが理由なのだ

関連項目
バッテリー
サーキットテスター