梅ぼしのたね 〜趣味の部屋〜

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ドレンボルトを
『手ルクレンチ』で締める



素人さんがオイル交換する際に一番悩むのが締め付け作業だ
どのくらいのチカラで締めたらいいのか?
締める感覚が分からない
そんな人のために『参考』程度にしかならないかもしれないが説明しよう (゚Д゚)ノ

@締め付け
各自動車メーカーや車種によって締め付ける力(締め付けトルク)は異なる
これは各々素材やサイズが違うためだ
締め過ぎればオイルパンのネジ山をナメてしまい数万円もするオイルパン交換となってしまうし、緩過ぎればオイル漏れしてしまう
実際に締めるにはその車種の規定トルクを調べてトルクレンチを使って締めるのだが、整備工場ではいちいちトルクレンチを使って締めることは無い
そんなん調べて締めてたら仕事にならないし、安物のプリセット型トルクレンチなんて1kg-m(10N)の誤差なんて当たり前であてにならないので自らの手の感覚で締める、いわゆる『手ルクレンチ』で締めている
ではその手ルクレンチとは正確なのか?って思うだろうが経験を積んでいればほぼ正確だ
もちろん『ほぼ正確』ってことはズレはあるってことだ
でもね、ドレンボルトの締め付けってのは思っているほどシビアではないのだよ ( ̄д ̄)
例えば鉄製オイルパンでトヨタや日産のM12のボルトサイズの場合には4kg-m(40N)だが、3kg-m(30N)で締めても漏れることは無いし緩むこともない
現に日産車の整備書を見ると3〜4kg-m(30〜40N)になっている
トヨタの場合は同じ鉄製のオイルパンやドレンボルトにも関わらず車種によって3kg-m(30N)や4kg-m(40N)とバラバラになっている
同様にアルミ製オイルパンでスズキの場合は3.5kg-(35N)だが2.5kg-m(25N)で締めても問題ない
1kg-m(10N)もかければドレンワッシャーは徐々に潰れていき、2kg-m(20N)も過ぎれば緩まなくなる
締め過ぎのほうが後々面倒臭くなると覚えておいた方がいい


A手ルクレンチの覚え方
それでは手ルクレンチについてだ
人によってはドレンワッシャーが潰れる感触や角度締めなどあるが初心者に感触なんて分からんし、使用するドレンワッシャーによっては硬度や厚みが違うので潰れるワッシャーに対しては角度締めは無駄なので手ルクレンチを習得しよう
その前に、使用するメガネレンチの長さと握る位置によってボルトに加わる力が変わることを知っておこう
同じ力加減でもメガネレンチが長すぎるとよりチカラが加わり、短すぎると加わる力が弱くなる

関連項目
締め付けトルク

今回使用したのは14×17mmの長さ26cmのメガネレンチ
握る位置はほぼ後端
鉄製のオイルパン、M14、17mmのボルト
締め付けトルクは規定値4kg-m(40N)に対し若干低めに締め付け
新品のドレンワッシャを使用
@まずは手締め







コレはテキトー
指のチカラだけで締め込む

Aそこそこ締める
ドレンボルトにメガネレンチをかけ、指2本の第一と第二関節を曲げるチカラだけでゆっくりと締める
腕から手首にかけては全く動かさない

すると『ドレンワッシャーの種類』で@DEの場合は2回前後繰り返すことで固く締まる
BCは潰す量が多いのでもっと回数が必要

この指力だけでも約1.5〜2kg-m(15〜20N)で締まる

オイラは指力が人よりもあるのでもっと締まっちゃいますが…

B本締め







手首を伸ばした状態で工具を握る

肩から腕は完全固定し手首を曲げるチカラだけでゆっくりと強めに締める
ククッと締まった後、動かなくはずだ
※まだまだ締まりそうだったら工具を掛けなおしてもう一度
これで2.5〜3kg-m(25〜30N)で締まります

オイラはチカラが人よりもあるのでもっと締まっちゃいますが!

ここまで締めていればオイル漏れや緩むこともないし、何より締め過ぎることがない
チカラの無い草食系男子は手首にチカラを入れているこの状態から更にほんの少しだけゆっくりと腕を引いてみよう
動かなかったら締め付け終了
更にククッって動いたらそこで締め付け終了
※この締める数値はオイラが実際にトルクレンチを使って測定した実測値です

それでもよく分からない人は練習あるのみだ
数個ドレンワッシャーを用意してこのやり方で締めてみよう
そしてゆっくりチカラを加えながら緩めてみて『締まってる感』を感じたらOKだ
分からなければ新しいドレンワッシャーに交換して何度も試してみよう
本来このやり方で『締まってる感』を感じるはずです

あなたが感じた『締まってる感』で緩むと思う?
『締まってる感』があれば緩むことはありえない

…っで説明終了
オイラは普段こんなこと考えないで感覚で締めちゃうが…
手ルクレンチって人それぞれチカラや感覚が違うから説明が難しいんだよね (;´Д`)
だから自分の力加減ってのを体で覚えよう

手ルクレンチでありえない行動は
・叩いて締める
 コレって瞬間的に相当なチカラが加わります
 強く叩いた場合6kg-m(60N)をも超えることがあるので軽くでも絶対に叩いてはならない
・勢いをつけて締め込む
 コレも瞬間的に強いトルクが掛かりますのでやらないように!


B最後に
これまで読んでみると意外とドレンワッシャーの選択やオイルドレンボルトの締め付けに関してシビアではないってのが分かったかな?

その他の情報としては
・ひと昔前のスズキのアルミ製のオイルパンでドレンボルトが短いのがあります
 この場合とてもカンタンにナメりやすいので長いドレンボルトに交換しましょう
 しっかりと締まるよん
・エンジンオイルの他ではスバルでアルミ製のリアデフカバーを使ってるもの
 一部でネジ山が4山くらいしかないので超カンタンにナメります
 工具の中心付近を持って軽く締める技を覚えましょう

よく読めばどれもアルミ製には気を付けろってことだ
そしてネジ山が少なければ少ないほどナメりやすい

とにかく『漏れずに締まってれば問題ない』のだからチャレンジしてみよう (・ω・)ノ