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すれ違い用前照灯



すれ違い用前照灯とはつまり下向きのヘッドライト(ロービーム)のことだ
保安基準第32条によって定められているから重要な項目だけ抜粋して解りやすく説明しよう ( ´ー`)y-~~
まずはライトの位置だ

@照明部の下縁の高さが地上か
 ら0.5m以上であること
A照明部の上縁の高さが地上か
 ら1.2m以下であること
B照明部の最外縁が車の最外側
 から400mm以内であること

 ※H17.12.31以前に製作さ
  れた車は照明部の中心の高さ
  が1.2m以下でBを満たして
  いればよい

なにげな〜く付いているライトだがきちんと基準通りに付いているのだ

でもまぁ位置を変える人はほとんどいないよな (;´∀`)
そして普段ロービームで走っていても気付かないが、光の向きはただ真っ直ぐ平らではなく左右のライトとも若干左斜めに上がっている(下図黄色線:カットオフ参照)
たぶん歩行者等の早期発見用かな?左側通行用でなくてはならない
ちゃんと『すれ違い用前照灯はその配光が右側通行用のものではないこと』となっている
欧州車は逆に右斜めに上がっているのでヘッドライトを国内仕様に交換しないと違法となる
正規輸入車ではなく並行車の場合は要注意だ

下の図は光の照射範囲の基準だ
左右の各ライトから前方10m離れた位置の照射範囲で赤枠内にエルボー点があり、そして光度測定点の明るさ(cd)を測定する
・照明部中心とは10m前方のライトの中心の高さ
・照射方向を調整する際に用いる光の明暗の区切り線のことを『カットオフ』という(下図黄色線)
・カットオフが折れ曲がっている点のことを『エルボー点』という
※前方10m先においてエルボー点の位置は赤枠内だが、しかしコレは平成10年9月1日以降に製作された車に適用されるので、それ以前に製作された車はハイビームでの測定となる

でも実際改定後であっても改定前の基準のライトがあるから、改定後でも当面の間ハイビームにて検査して不合格だったらロービームで検査すると定められている
しかしながらこの『当面の間』ってのが平成27年9月からウチの管轄の陸事はロービーム測定対象車は完全ロービーム測定になりました
ハロゲン球から社外HIDに交換すると光が散ってしまい、ほぼ100%不適合となります
※カットオフが無い車は『照明部中心』の十字線の左下に最高光度点があること

この調整には大掛かりな機材『ヘッドライトテスター』が必要なので、ハッキリ言って自分でこのヘッドライトの照射位置調整は出来ない Σ(゚Д゚)
夜に壁に向けて照射すれば勘で調整出来るが、それでも範囲内にすることはほぼ不可能だ
調整してもらいたい時はディーラーなどの指定整備工場や予備検査場で調整してもらおう(有料)

その他の基準は
左右対称に取り付けられていること
・数は2個まで
・パッシング以外で点滅してはならない
・ロービームが放電灯光源(HID)の場合はハイビームが点灯している時に消灯できない構造であること
 ※H17.12.31以前に製作された車には適用しない
・夜間前方40mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能であること

さぁ〜実用性がある基準はココからだ (`・ω・´)
一般の人が気をつけなくてはならない色と明るさについて説明しよう
[色]
色は白色(H17.12.31以前に製作された車は白又は淡黄色で左右同一色)
社外品の球に交換して青みがかかるとダメなのだ (゚ε゚)
そして社外のHIDに交換、取り付けをするのに『6000Kまでは車検が通る』というのをよく聞く
これは明るくなるにつれて色が青くなっていくために、白から青に変わる前の明るさが一般的に6000Kと言われているからだ(メーカーによって変わる)
[明るさ]
上図の光度測定点(カットオフが無い車は最高光度点)において1灯につき6400cd以上と決まっている
これは明るさを数値で表していて『cd』という単位は『カンデラ』と読む
そしてHIDの場合によく使われる単位『K』は『ケルビン』と読み『cd』とは意味が全く違うし変換も出来ない
法律上はカンデラを使っているから覚えておこう