コイツは潰れてしまったネジ山を修復させることが出来る工具だ 整備していると一度はネジ山を誤って潰してしまったり、ネジ山がサビなどで汚れていて入りづらくなってしまったりと経験はあるだろう そのネジを無理して使ったら… しっかり締まらないどころか、緩めることすら出来なくなってしまう! Σ(゚∀゚ノ)ノキャー 画像は主にクルマやバイク用でよく使われるサイズのセットだ 簡易的なモノだが気軽に使える 高精度で本格的なモノは後術説明する |
ボルトのようなものはナットなどを修復させるモノで『タップ』と言う ナットのようなものはボルトを修復させるモノで『ダイス』と言う 両方ともネジ山部を見てもらえれば分かると思うが溝が切ってある この溝の角で潰れたネジ山を削り取るのだ 修復するネジのピッチに合わせよう 間違ったサイズを使ってしまうと修復どころかネジが使い物にならなくなってしまう! ( ;゚Д゚)y─~~ 関連項目 ネジのあれこれ |
例えばこのネジ 物置の中から出てきた これはナメッてるというよりは挟まれて潰れてしまった感じだ この状態でボルトを入れてみたが、もちろん入らず途中で止まってしまったのでこの状態では使い物にならない (´ε`;)ウーン… このような場合ネジの山側の部分が潰れてしまって谷側へはみ出てしまっているのが原因だ |
なのでダイスを使って谷側へはみ出た部分を削り取る まずはボルトに556やラスペネなど潤滑油を吹きかけて同じサイズのダイスを取り付ける (゚Д゚) 別に潤滑油を使わなくても削れるがダイスの寿命が短くなってしまうのでなるべく使おう 関連項目 整備で使う潤滑油 |
メガネレンチなどでボルトを固定し、ダイスもメガネレンチなどで締め込んでいけば潰れた部分を削り取っていくのだ ( ゚Д゚)ウヒョー ただし締め込むのに注意しなければならないのが、一気に締め込まないことだ コツはちょっと削ったらちょっと戻してを繰り返しながら削る 大体45度ずつ削っていく感じだね |
修復後 ん〜ちょっと分かりづらいな… ナメているボルトがあれば分かりやすかったんだが ヾ(゚д゚;) スッ、スマソ 一応谷側にはみ出たねじ山は削り取られている そして潰れたねじ山部分のサビも削り取られているのが分かるかな? 潰れた部分しかダイスは入れていないので左側のサビ部分と見比べてみよう これでナットがスムーズに入るようになった ( ´∀`)bグッ! |
続いてタップの使い方だ 要領はダイスと一緒なのでナメたナットに潤滑油を吹きかけ同サイズのタップを入れてメガネレンチでボルトを固定させタップを回す これもちょっとずつ削ろう (´∀`) あくまでも簡易的な修復工具なので、グチャグチャにナメってしまった場合の修復には向かないかな |
このケムシのような棒もネジ山修正するための『ヤスリ』だ Σ(゚Д゚) ナメってしまったネジ山修正というよりはちょっと潰れてしまったネジ山修正するものって感じだ このヤスリは四角形で棒の左右に溝が切ってある つまり4×2で8種類の溝(ピッチ)があるのだ ※よく見れば棒の溝の無い中央にピッチが各面に刻印されている 逆に言えばボルトのピッチが分からない時、コレを当てればピッチが分かるね |
ピッチを合わせて修正したいボルトに当ててボルトの斜めに切ってある溝に合わせてヤスリをちょいと強めに引く そうするとちょいと削れるのでコレを繰り返す それだけ (´∀`) ただ、慣れてないと逆にネジ山を潰してしまうので注意だ コイツは超簡易的なモノで、更にガサばらないので車載工具箱に1本入れておこう ъ(゚Д゚)グッジョブ!! |
これは高性能のタップ&ダイスだ このタイプはホームセンターなどでよく売ってるので入手し易い ただクルマやバイクによく使われているサイズが入っていないのもある ※画像のセットは残念ながらほとんど入っていない… 購入するのであれば1個ずつバラで買うか何十種類も入ったセットをお勧めする 簡易的なモノと比べて各ハンドルが大きいので車体に付いているモノを修復しようとしてもスペース的にハンドルを回せない場合もある |
ダイスハンドルにボルトと同サイズのダイスを取り付け潤滑油を吹いたボルトを入れて少しずつ回す 削る精度が高いので出来ればボルトをバイス(万力)に固定してダイスを回して使ったほうが良いのだが、画像のようにボルトを回しても良い ただの丸い鉄の棒にネジ山を作るくらいの性能を持っている Σ(゚Д゚) なので真っ直ぐ削るように! |
ダイスと使い方は一緒だ タップハンドルにナットと同サイズのタップを取り付け潤滑油を吹いたナットを入れて少しずつ回す これもまた出来ればバイスにナットを固定したほうが良い 大きくナメってしまったボルトやナットにはコッチのタップ&ダイスのほうが良いね ザクザク削れるぜ! ( ´ー`)y-~~ |